
「ちゃんとしなきゃ」で生きてきた僕が、心のルールを外すコーチになった理由
はじめまして。 桑本康生です。
私は、看護師として働きながら、現在は「心の中にある見えないルール」を外し、その人が本来の人生を取り戻すためのコーチングをしています。
今でこそ、人の心の奥にある思い込みや、無意識の価値観を扱う仕事をしていますが、もともとの私は、自分の心を大切にできる人間ではありませんでした。
むしろ、ずっとこう思って生きてきました。
「ちゃんとしていない自分はダメだ」 「弱い自分はダメだ」 「期待に応えられない自分はダメだ」 「人に迷惑をかける自分はダメだ」
そんな心のルールを、ずっと握りしめていました。
私は1979年、島根県浜田市に生まれました。幼い頃から、母に「怖がり」「ビビり」と言われた記憶や、間違えてはいけない、ちゃんとしていないといけない、という感覚が強く残っています。5歳の頃、母に褒められて嬉しかった一方で、「間違ったら怒られる」と感じた体験もありました。
小学校に上がる前には、「喧嘩をしたらダメ。手を出した方が負け」と言われ、そこから相手の顔色を見るようになった感覚もありました。
本当は、自信を持ってよかった。 本当は、怖がってもよかった。 本当は、間違えてもよかった。
でも当時の私は、そうは思えませんでした。
「良い子でいなきゃ」 「迷惑をかけちゃいけない」 「期待に応えなきゃ」
そうやって、自分の気持ちを後回しにする生き方が、少しずつ当たり前になっていきました。
大人になってから、私は看護師の道に進みました。
19歳で広島に出て、看護学生として働きながら学び始めました。初任給が出るまでの生活が厳しく、食事も十分に取れない中で、成績を落としたら仕事を辞めさせられるのではないかと必死に勉強していた時期もあります。
看護師という仕事は、人の苦しみや不安、葛藤に向き合う仕事です。
患者さんの心に触れるたびに、私は人の弱さや痛みに敏感になっていきました。 でも同時に、自分自身の弱さには、とても厳しかった。
人には「無理しなくていい」と言えるのに、 自分には「もっと頑張れ」と言ってしまう。
人には「つらかったですね」と言えるのに、 自分には「それくらいで弱音を吐くな」と言ってしまう。
今思えば、私は看護師として人を支えながら、自分自身にはずっと支えを許していなかったのだと思います。
人生の中で、大きな転機になったのは大学院での挫折でした。
私は、もっと成長したい、もっと認められたい、もっと価値ある自分になりたいという思いで大学院に進みました。
でも、現実は思うようにいきませんでした。
仕事、家庭、子育て、母のこと、そして大学院での強いストレス。 教授との関係にも傷つき、心身ともに追い込まれていきました。記録には、教授のパワハラ、睡眠不足、仕事や子どものことを抱えながら走り続けたこと、そして卒業できなかったことへの深い罪悪感が残っています。
当時の私は、単に大学院を辞めたことが苦しかったのではありません。
「できない自分はダメだ」 「期待に応えられない自分はダメだ」 「家族を幸せにできない自分はダメだ」
その思い込みが、一気に噴き出していたのだと思います。
そして、そこから私は気づきました。
人は、現実の出来事だけで苦しんでいるのではない。 その出来事を通して、自分の中の古い価値観に苦しんでいる。
失敗したから苦しいのではなく、 「失敗する自分はダメだ」と信じているから苦しい。
弱音を吐いたから苦しいのではなく、 「弱音を吐く自分はダメだ」と信じているから苦しい。
人に頼れないのは能力の問題ではなく、 「頼る自分はダメだ」と心の奥で思っているからかもしれない。
この気づきが、今のコーチングの原点です。
私自身の根っこには、ずっと「相手を大切にできない自分はダメだ」「自信が持てない自分はダメだ」という価値観がありました。記録の中でも、それらは「認められない」「守れない」「幸せにできない」「自由にさせられない」といった思いと結びついていました。
つまり私は、自分を責めていたようで、本当は大切な人を愛したかった。 家族を守りたかった。 親を安心させたかった。 妻や子どもを幸せにしたかった。
でも、その思いが強すぎるほど、できない自分を許せなくなっていました。
だから今、私は同じように苦しんでいる人の力になりたいと思っています。
特に、看護師や支援職の人は、責任感が強い人が多いです。
「自分が頑張ればいい」 「私が我慢すればいい」 「人に迷惑をかけてはいけない」 「弱音を吐いたらいけない」
そんな見えないルールを抱えたまま働いている人が、本当にたくさんいます。
でも、そのルールは本当にあなたの本音でしょうか。
もしかしたら、それは過去のどこかで作られた“心の癖”かもしれません。
私がコーチングで大切にしているのは、無理やりポジティブになることではありません。
過去をなかったことにすることでもありません。 親を無理に許すことでもありません。 ただ前向きな言葉を唱えることでもありません。
まずは、自分の中にある本当の怒り、悲しみ、悔しさ、寂しさを見つける。 そして、その奥にある「本当はどうしてほしかったのか」「本当はどうしたかったのか」に気づく。
そこまで見えた時、人はただ傷ついていた存在ではなく、 本当は誰かを愛そうとしていた存在だったと分かります。
私は、その瞬間を何度も見てきました。
人は、自分を責めるために生きているのではありません。 大切な人を幸せにするために、自分を犠牲にし続ける必要もありません。
自分を大切にしながら、家族も大切にしていい。 弱さを認めながら、強くなっていい。 過去に縛られず、これからの人生を選び直していい。
私は、そのためのコーチングをしています。
桑本康生として、私が届けたいことはひとつです。
あなたが苦しいのは、性格が弱いからではありません。 頑張りが足りないからでもありません。 心の奥に、あなたを縛っているルールがあるだけです。
そのルールは、見つければ外せます。 そして、人はそこからもう一度、自分の人生を選び直すことができます。
私自身がそうだったように。
だから私は、これからも 「ちゃんとしなきゃ」で自分を追い詰めてきた人が、 自分の気持ちを大切にしながら、迷いなく人生を選べるようになるために、 コーチとして関わっていきます。

