
理想論という名の羅針盤
あなたには、理想がありますか? 「こんな親でいたい」 「こんな仕事をしたい」 そう描いた未来と、今の自分はどれだけ近いだろう。 理想と現実のギャップに苦しむより大切なことがある。 それは、理想を描き続けること。 そして、近づくための努力を続けることだ。
理想論という名の羅針盤
目次
1. その一言に、私は反発した
2. 朝、また怒ってしまった
3. 理想論なんて、現実の前では無力だと思った
4. でも、理想を描かなければ実現は永遠にない
5. 理想と現実のギャップは、自分を責めるためにあるんじゃない
6. 理想に近づく力は、熱量で変わる
7. 理想は、人生の羅針盤になる
▍その一言に、私は反発した
私には、お世話になっている人、尊敬している経営者が複数人いる。
その中のお一人。
独身で、仕事一筋。
その人の言葉はいつも鋭く、私の思考を揺さぶってくれる。
だが、あるとき、その人に言われた一言に、私は内心ひそかに反発した。
▍朝、また怒ってしまった
その日の朝、私は自分の子どもに怒ってしまっていた。
登校の時間が迫っているのに、子どもはマイペースに準備を進めている。
靴下を履くのに時間をかけ、ランドセルをぼんやり眺め、何度声をかけても動作がゆっくりだ。
焦りが積もって、気づけば声を荒げていた。
そのことを、経営者に少し愚痴まじりに話すと、こう返ってきた。
子どもの動きを見越して、もっと早く起こすとか。
自分が早く起きるとか。
できたんじゃないですか?
……経験がないから、そんなことが言えるんだ。
「そうですね……。」と言いながら、内心では反発していた。
育てたことのない人間に、何がわかるのか。
毎朝、思い通りにいかない現実を知らないから言えるんじゃないか。
理想論なんて、現実の前では絵に描いた餅だ。
▍理想論なんて、現実の前では無力だと思った
理想通りにはいかない。
育児も、ビジネスも、生活も、頭で考えた通りになんて進まない。
どれだけ準備しても、子どもは予定通りに動かない。
どれだけ計画しても、仕事は思った通りに進まない。
理想を掲げれば掲げるほど、できていない自分が見えて苦しくなることもある。
だから、私は一瞬こう思った。
理想なんて、持たない方が楽なんじゃないか。
▍でも、理想を描かなければ実現は永遠にない
でも、同時にこう思った自分もいた。
理想を描かなければ、それが実現することは一生ない。
そもそも「朝、子どもに怒らない」という理想すら描いていなければ、その未来に近づく日は来ない。
理想があるから、現実とのギャップに気づける。
気づくから、変えようとする力が生まれる。
もっと早く起こせたかもしれない。
前日の夜に準備できたかもしれない。
声のかけ方を変えられたかもしれない。
そう考えられるのは、理想があるからだ。
あの経営者の言葉は、たしかに理想論だったかもしれない。
でもそれは、間違った理想論ではなかった。
現実を責めるためではなく、未来を変えるための理想論だった。
▍理想と現実のギャップは、自分を責めるためにあるんじゃない
理想が実現していないとき、それは自分の選択と行動の結果でもある。
この言葉だけを見ると、とても厳しく聞こえる。
でもこれは、自分を追い詰めるための言葉ではない。
むしろ逆だ。
自分のせいだと気づける人は、自分の力で変えられると知っている人だ。
誰かのせいにしている間は、現実を変えるハンドルを他人に渡している。
でも、自分の選択の結果だと思えた瞬間に、次の選択を変えることができる。
だから大事なのは、できなかった自分を責めることではない。
「どうすれば、少しでも理想に近づけるか」と問い直すこと。
その問いを持てる人だけが、少しずつ現実を変えていける。
▍理想に近づく力は、熱量で変わる
理想に向かう力は、その理想への熱量に比例する。
「できればいいな」と思う理想と、「絶対に実現させたい」と思う理想では、行動の質も量も変わってくる。
さらに言えば、理想に近づくための努力を「苦労」と感じるか、「面白い」と感じるかでも大きく変わる。
今日はどこまで近づけるだろう。
次は何を変えられるだろう。
この失敗から何を拾えるだろう。
そう思える人は強い。
苦しんで進む人の何倍もの速さで、気づけば遠くへ行っている。
それは才能ではなく、理想への熱量と、現実の見方の違いなのだと思う。
▍理想は、人生の羅針盤になる
育児でも、ビジネスでも、理想はときに苦しい。
理想は「完璧な自分」を要求してくるように感じることがある。
だから、理想なんて持たない方が楽だと思ってしまう日もある。
でも、理想のない船に、行き先はない。
高くていい。
遠くていい。
今すぐ叶わなくていい。
理想は、自分を責めるためのものではない。
進む方向を思い出すための羅針盤だ。
描き続けた先に、必ず光がある。
だから私は、反発しながらでも、悔しがりながらでも、理想を描くことをやめたくない。
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