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営業資産はビジネスを制す ~ 毎月ゼロから売る経営から、「営業するほど強くなる経営」へ~
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営業資産はビジネスを制す ~ 毎月ゼロから売る経営から、「営業するほど強くなる経営」へ~

Prociel Column|資産型経営

営業資産はビジネスを制す

毎月ゼロから売る経営から、「営業するほど次が売りやすくなる経営」へ。これからの営業に必要な「営業資産」という考え方を、初めての方にも分かりやすく解説します。

「今月も新しいお客様を見つけなければいけない」「売上をつくるためには、もっと営業しなければいけない」。経営者や個人事業主の中には、毎月のようにこのプレッシャーを感じている人も多いのではないでしょうか。

見込み客を探し、アポイントを取り、商品を説明し、提案して契約する。そして月が変われば、また新しいお客様を探すところから始める。この状態を続けていると、売上を増やすほど営業に必要な時間も増えていきます。

だからこそ考えたいのが、「今日の営業を、今日だけで終わらせない」という発想です。営業で得た経験、資料、顧客との関係、成功事例、発信などを次の営業でも使える形に残していく。これが、今回お伝えする「営業資産」という考え方です。

1.そもそも「営業資産」とは何なのか?

「営業資産」という言葉を聞くと、少し難しいものを想像するかもしれません。しかし、考え方そのものはとてもシンプルです。

営業資産とは?

一度つくったり積み上げたりすることで、その後も繰り返し営業を助けてくれるもの。

例えば、商談をするたびに商品の説明に30分かかっているとします。10人に説明すれば300分、100人に説明すれば3,000分必要になるため、お客様が増えるほど自分の時間も必要になります。

しかし、その説明を一度分かりやすい動画や営業資料にして、商談前にお客様に見てもらえるようにしたらどうでしょうか。お客様は基本的な内容を理解した状態で商談に来てくれるため、毎回ゼロから説明する必要がなくなります。

つまり、「毎回30分働かなければ生まれなかった価値」を、「一度つくれば何度も働いてくれる価値」に変えたということです。

今日の営業を、今日だけで終わらせない。過去の営業が未来の営業を助ける状態をつくることが「営業資産」の基本です。 — Prociel Column

2.「営業が得意な会社」と「営業が残る会社」は違う

ここで、A社とB社という2つの会社を例に考えてみましょう。

A社|社長の営業力で売る会社

A社の社長は営業がとても得意で、初対面の人とも関係をつくることができ、商談をすれば高い確率で契約につなげられます。

しかし、営業トーク、ヒアリング方法、提案の仕方、人脈などがすべて社長個人に依存しているため、社長が営業をやめると新しい契約も減ってしまいます。

B社|営業が仕組みとして残る会社

B社では、成果の出た営業トークやヒアリング方法が整理され、営業資料、導入事例、Webサイト、顧客情報なども会社に蓄積されています。

一人の営業力だけに頼るのではなく、これまでの営業経験が会社の中に残っているため、その資産を使って次の営業を行うことができます。

A社は「営業できる人」が強い会社。B社は「営業できる仕組み」が強い会社。 — 営業資産で考える会社の違い

短期的には、優秀な営業マンがいる会社のほうが大きな売上をつくることもあります。しかし3年、5年と事業を続けることを考えると、営業するたびに経験やノウハウが会社へ残る企業は、時間とともに営業力そのものを積み上げることができます。

3.どんなものが「営業資産」になるのか?

「営業資産をつくる」と聞くと、大きなシステムを導入したり、多額の広告費をかけたりする必要があると思うかもしれません。しかし実際には、普段行っている営業活動の中に、すでにたくさんの「営業資産のタネ」があります。

会社の中にある代表的な営業資産

  • 営業資料:商品の特徴・価値・料金・導入までの流れを伝える資料
  • お客様の声・導入事例:実際のお客様の成果によって信頼を生み出すもの
  • Webサイト・LP:24時間、会社や商品の魅力を伝えてくれるもの
  • SNS・コラム・動画:考え方や専門性を伝え、将来の問い合わせにつながるコンテンツ
  • 営業トーク・ヒアリング項目:成果が出た営業方法を再現できるようにしたもの
  • 顧客情報:過去に出会った人や見込み客との関係を継続するための情報
  • 紹介の仕組み:既存のお客様や知人から新しいお客様へつながる流れ
  • AI・営業システム:繰り返す営業業務を効率化し、人の時間を生み出す仕組み

大切なのは、何を持っているかではありません。それらが「次の営業でも繰り返し価値を生み出す状態になっているか」ということです。

4.「持っているもの」と「営業資産になっているもの」は違う

例えば、経営者交流会に参加して100人と名刺交換をしたとします。「100人とつながったから、人脈という資産が増えた」と考えたくなるかもしれません。

しかし、その100枚の名刺を机の引き出しに入れ、その後一度も連絡を取らなければ、その出会いが未来の価値につながる可能性は低くなってしまいます。

一方で、「どんな仕事をしている人だったのか」「どんな悩みを話していたのか」「どんな情報を届ければ役に立てそうか」などを整理し、その後も自然に関係を続けることができれば、単なる名刺交換だった出会いが将来の仕事や紹介につながる可能性があります。

営業資産になるために必要なこと

  • 情報や経験を残す
  • 必要なときに使えるように整理する
  • 一度きりではなく、繰り返し活用する
  • 使いながら改善し、価値を高めていく
持っているだけでは資産ではない。未来の価値につながる形にして、初めて「営業資産」になる。 — Prociel Column

5.「営業力」だけでは、売れるほど忙しくなることがある

ヒアリング力、提案力、クロージング力など、個人の営業力を高めることは非常に大切です。しかし、自分の営業力が高くなっても「自分が商談しなければ売れない」という構造が変わらなければ、売れるようになるほど自分の商談数も増えていきます。

営業力だけに依存する

売上を増やすために商談数を増やし、商談数を増やすためにさらに自分の時間を使うため、売れるほど忙しくなりやすい状態です。

営業力 × 営業資産

自分の営業力で成果を出しながら、その経験を資料・事例・コンテンツ・仕組みとして残すことで、営業するほど次の営業が進めやすくなります。

目指したいのは、「営業力を高めること」だけではなく、「営業するほど営業資産が増える状態」をつくること。 — 資産型経営における営業の考え方

6.今日の1時間の商談を「1時間」で終わらせない

例えば今日、経営者と1時間の商談をしたとします。一般的には、その商談で契約が取れたか、取れなかったかが大きな成果として見られます。

しかし、資産型経営の視点で考えると、商談から得られるものは契約だけではありません。

商談後に残しておきたいこと

  • お客様からどんな質問が出たのか
  • どの説明をしたときに反応が良かったのか
  • どこが分かりにくそうだったのか
  • どんな資料があれば、もっと伝わったのか
  • 契約につながった場合、何が決め手だったのか
  • 契約にならなかった場合、何が障壁になったのか

これらを残しておけば、一つの商談からFAQが生まれたり、営業資料が改善されたり、新しいSNS投稿やコラムのテーマが見つかったり、商品そのものを改善するヒントが得られたりします。

つまり、今日の1時間の商談が、未来の10件、100件の営業を助ける資産になる可能性があるということです。

7.営業資産が増えると「商談前」が変わる

営業資産が少ない会社では、お客様にとって「知らない会社から突然営業された」という状態から商談が始まるため、営業担当者は商品の説明をする前に、まず会社や自分を信用してもらう必要があります。

一方、営業資産が積み上がっている会社では、WebサイトやSNS、コラム、動画、導入事例などを通じて、商談前からお客様が会社の考え方や商品の特徴を知ることができます。

営業資産が少ない場合

「この会社は大丈夫?」「本当に実績がある?」「他社と何が違う?」という状態から始まり、営業担当者がゼロから信頼をつくらなければなりません。

営業資産が積み上がっている場合

「Webサイトを読んだ」「コラムを読んだ」「事例を見た」「知人から紹介された」など、すでに一定の理解や信頼がある状態から商談を始めることができます。

営業資産がある会社では、「商談が始まる前から営業が始まっている」。 — Prociel Column

営業資産が先に「知ってもらう・理解してもらう・信頼してもらう」という部分を進めてくれれば、営業担当者は相手の悩みを深く聞いたり、一緒に解決策を考えたりするなど、人にしかできない営業に時間を使えるようになります。

8.営業資産をつくる3つのステップ

営業資産をつくるために、最初から大きな仕組みやシステムを導入する必要はありません。まずは普段の営業活動を振り返り、「何度も繰り返している仕事」を一つ見つけるところから始めてみましょう。

STEP1|毎回繰り返していることを見つける 「毎回同じ商品説明をしている」「商談のたびに同じ質問をされる」「毎回同じような提案書をつくっている」など、何度も繰り返している営業活動を書き出します。繰り返している仕事には、資産化できる可能性があります。
STEP2|次回も使える形にする 毎回する説明なら動画や営業資料、よくある質問ならFAQ、成果が出た営業方法ならマニュアル、お客様の成果なら導入事例というように、「人の頭の中にあるもの」を「会社に残るもの」へ変えていきます。
STEP3|使いながら改善する 一度つくったら終わりではありません。実際の営業で使い、分かりにくければ直し、新しい質問が出れば追加し、成果が出た方法があれば反映することで、営業するたびに営業資産そのものを強くしていきます。

9.強い会社は「営業した数」だけでなく「営業資産」が増えている

「今日は10件営業した」という数字は、もちろん大切です。しかし、資産型経営の視点では、営業件数だけではなく、「今日の10件の営業から、会社に何が残ったのか?」も考えてみます。

今日の営業から何が残りましたか?

  • 新しい見込み客との関係が残った
  • 営業資料が改善された
  • お客様が本当に困っていることが分かった
  • 成果につながる営業トークが見つかった
  • 新しい導入事例ができた
  • 紹介につながる関係ができた
  • 新しいコンテンツのテーマが見つかった

こうしたものが一つでも残っていれば、今日行った営業は「今日の売上をつくるためだけの活動」ではありません。未来の売上をつくるための資産形成にもなっています。

まとめ|営業資産は、ビジネスを制す

営業が強い会社は、確かに強いです。しかし、そのさらに先にあるのが、「営業するほど、営業資産が積み上がっていく会社」だと僕は考えています。

昨日までに積み上げた営業資産を使って今日の営業を行い、今日の営業で得られた経験を、また明日の営業資産として残していく。この循環が生まれると、営業するほど資料が良くなり、事例が増え、お客様への理解が深まり、信用や人とのつながりも積み上がっていきます。

僕自身も今、資産型経営を学びながら自分の事業で実践しています。その中で大切にしているのが、「今日の仕事を、今日だけで終わらせない」という考え方です。

今日の商談を、明日の営業資産へ。今日の出会いを、未来の信頼関係へ。今日の成功も失敗も、次の営業を良くするノウハウへ変えていく。

毎回ゼロから売り続けるビジネスではなく、「売るたびに、次が売りやすくなるビジネス」へ。

あなたの会社には今、あなたが営業していない時間にも、営業を助けてくれる「営業資産」がいくつありますか?

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